日本ハム先発陣の中核を成す杉浦稔大投手(28)と加藤貴之投手(28)が開幕へ向けて順調に滑りだした。6日、DeNAとの練習試合(横浜)で先発した杉浦は3回3安打3失点、2番手の加藤は3回2安打無失点で降板。ともに約3カ月ぶりの実戦だったが、アクシデントなく投げ終えた。栗山英樹監督(59)は6連戦が続く序盤戦に、昨季のショートスターターのような投手起用法を思案していることを明かした。

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杉浦は3月11日以来の実戦登板を冷静に振り返った。「久しぶりの実戦で立ち上がりは不安がありましたが、全体的にはまずまずという感じでした」。初回にソトに浴びた2ラン、3回に梶谷に打たれた二塁打は直球の制球ミス。「コントロールの精度を次回までに修正し、試合勘も戻せるようにしたい」と調整ポイントを明確にした。

4回から登板した加藤は、抜群の内容だった。最速141キロでもキレのある直球でグイグイ押してテンポのいい投球を披露。「久しぶりの実戦だったので、気持ちを入れて投げました。ただ、力が入った分、ブレがあったり課題も多かった」と話したが、3月7日以来の実戦登板というブランクは感じさせなかった。

見守った栗山監督も、ひと安心した。「(グループ練習中の)北海道から見ていて状態がよかったが、いい感じでスタートしてくれた」とうなずいた。開幕後の投手起用法がプラン通りに運用できる可能性も感じ取れたから、安堵(あんど)の表情が浮かんだのかもしれない。

今季は開幕3連戦の後は過密日程となる。指揮官は「あれだけ6連戦が続くと、どうやって全員の力を借りて勝つのか、今いろいろ考えている」と投手起用法を練っていることを明かした。約2カ月間の自主練習期間を経て2、3度の調整登板で開幕を迎えることになる先発陣は「最初から全員が100球は投げない。そのぐらいに思っておいてあげないと」と想定しているからだ。

5日の有原と金子、この日の杉浦と加藤のように、シーズン序盤は1試合を2人の先発投手で乗り切るイメージの試合も出てきそうだ。昨季は先発を打者一巡をメドに交代させるショートスターターを戦術として採用しただけに、今季も栗山監督の用兵にも注目が集まる。