ヤクルトの川端慎吾内野手(32)が、2年ぶりのサヨナラ打を放った。本拠地神宮での有観客初勝利。土曜日の連勝を負けなしの6に伸ばした。5-5で迎えた9回1死満塁、代打で巨人中川から左前打を放ち、試合を決めた。腰の手術を乗り越え、苦しいリハビリの末にたどり着いた打席。15年首位打者が、ファンに歓喜を届けた。

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川端が神宮に帰ってきた。足は、わずかに震えた。9回1死満塁、代打で昨年9月7日巨人戦以来、今季初めて神宮の打席に立った。巨人中川の2球目、高めの145キロ直球を捉え、前進守備の三遊間を破った。ユニホームの「Swallows」の文字を強く握った。チームは今季3度目のサヨナラ勝ち。ファンの大きな拍手に迎えられ「やっとここまで来られました。またお立ち台に立てるのが、今不思議で仕方ないです」。村上、山崎、渡辺のウオーターシャワーを、笑顔で浴びた。

今年1月、慢性的に痛みを抱えていた腰の手術に踏み切った。春季キャンプは参加せず、都内で1人、リハビリに専念。長期離脱を覚悟しての判断だったが、開幕が遅れたことで、調整の時間は増えた。「焦らないように」と言い聞かせて1歩ずつ進んできた。守備練習は負担も大きいため、小川GMから「打撃に専念してはどうか」という提案もあった。イースタン・リーグで代打と指名打者で打率3割6分4厘の成績を残し、8日に1軍昇格。「こんなに早く1軍に呼んでもらえて、感謝しかない。これからもっと出場機会を増やせていけたら」。首位巨人とは2・5差。リーグ優勝を経験する15年首位打者の勝負強い打撃が、チームに勢いを与える。【保坂恭子】

▽ヤクルト高津監督(サヨナラ打の川端について)「彼にかけました。去年、全然プレーできなくて、そういう(悔しい)気持ちを持っているだろうし、そういう場面で、彼らしい打撃をしてほしいと。期待にこたえてくれた」