東都大学野球の東洋大は15日、埼玉県川越市のグラウンドや寮の大掃除を行い、本年度の活動を納めた。16日からオフに入り、新年は6日、20日に分けて練習を再開する。

今秋のリーグ戦は中大、駒大と同勝率の4位だった。杉本泰彦監督(61)は「入れ替え戦もなく、エース・村上(阪神)のケガもあり、戦い方を変えざるを得なかった。来季に対しての先行投資だと捉えていた」と話した。驚いたことに、リーグ戦中は選手たちに「秋はやられっ放しになれ」と声をかけていたという。「どんなに点差が離れてもいい。なぜ走られたのか。なぜ打たれたのか。なぜ打てなかったのか。来年の糧になればいい」。結果は3勝7敗も、選手たちは実戦を通して負けから学び、たくさんの課題を得た。

この冬、チームで掲げたテーマは「インパクトを大切にする」。これは、打撃だけではなく、投球、守備、そして対人に対しての印象にも通じるという。杉本監督は「選手たちはいいものをもっている。その出し方が下手。野球だけでなく、社会にでても通じる人間になって欲しい」と、願いを込めた。

今秋の秋季リーグ戦で遊撃手としてベストナインを獲得し、来年のドラフト候補にもあがる木村翔大内野手(3年=霞ケ浦)は「野球人生につながる大きなシーズンでした」と振り返る。アウトコース真っすぐに踏み込んで打つという課題を克服。コンパクトな打撃をものにし、3割2分5厘と結果を残した。しかし、得意だったはずの守備で4失策。「来年は守備をもう1度見直したい」と課題を得た。

将来の夢も広がった。「大学を卒業しても野球を続けたいと思っていましたが、プロを目指したいと思うようになりました。春はチームを引っ張ってアピールしたい」と上の舞台に挑戦する気持ちを口にした。

杉本監督は「捲土(けんど)重来とでも言いましょうか。飛び抜けた選手はいませんが、力を合わせれば大きな力になるでしょう」。2021年、東洋大・飛躍の年へ。期待は大いに膨らむ。