鯉キラーの本領発揮だ。阪神秋山拓巳投手(29)が7回3安打無失点で今季2勝目を手にした。「際どいところがボールというのが多かったんで、精神的に苦しいところはありましたけど、粘ることができたんで、ひとまず良かったです」。得点圏に走者は背負ったが、広島の4番鈴木誠を直球で差し込み3打数無安打と仕事をさせなかった。

初回、堂林に右前打と盗塁を許して1死二塁。西川を中飛に打ち取ると、鈴木誠をフルカウントから外の直球で見逃し三振。27球を要したが、持ち前の丁寧な制球で切り抜けた。5回は連続四球から無死一、二塁のピンチも、代打安部を外低めの直球で見逃し三振、後続を内野ゴロに打ち取った。「自作自演なピンチばっかりだったんで、本当にずっと必死でした」。110球で粘投する中、要所で外角へ決まる直球が光った。

1日広島戦では、5回まで完全投球を見せ7回2失点で勝利。昨季4勝0敗の好相性を今年も継続中だ。大山、佐藤輝の2ラン2本の援護も受け、先発陣のクオリティースタート(6回以上、自責3以内)継続を12戦に伸ばした。矢野監督も「先発陣は本当によく頑張ってくれているんでね。最高でした」と絶賛の白星だ。「チームの顔にやっと1本出たんで。負けるわけにはいかなかったですし、またこれで大山自身もチームも乗っていくと思う。また次に向けて、僕はしっかり調整していくだけかなと」。チームも秋山もさらに勢いを増した。【磯綾乃】

▼阪神の2試合連続完封勝ちは今季初。19年9月22日DeNA戦、24日巨人戦、28日DeNA戦の3試合連続以来、2年ぶり。球団最長は3試合で、19年を含め9度ある。

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