巨人の長嶋茂雄終身名誉監督(85)が6日、川崎市のジャイアンツ球場をサプライズ訪問した。

イースタン・リーグ西武戦の開始3時間半前、午前9時に球場に到着。三塁側ベンチに座り、試合前練習に励む阿部慎之助2軍監督(42)ら首脳陣と2軍選手を前に「1分1秒の時間でも大切に使って、野球に打ち込んでください。勝つ勝つ勝ーつ!」と訓示した。

その後は小雨の中、ベンチ前に用意されたパイプ椅子へと移動し、近い距離から打撃練習をチェック。右手親指末節骨で2軍調整中の坂本勇人主将(32)や再調整中の丸佳浩外野手(32)に加え、3月の東京ドーム練習を訪問した際にボディータッチをするなど期待を掛けた身長2メートルのルーキー秋広優人内野手(18)に身ぶり手ぶりで直接指導した。

熱血指導は、室内練習場に場所を移して続いた。電撃訪問の主な目的だった丸の打撃練習に、再び熱視線。前日5日に9シーズンぶりに不振で2軍降格し、不振からの脱却を目指す丸に、アクションを交えながら、時に立ち上がって「オッケー、オッケー」と声を掛けた。

視察を終えた長嶋終身名誉監督は、球団を通じて「今日は丸と話がしたくて、ジャイアンツ球場に来ました。バットを構えてから打ちにいくまで、姿勢と体重移動などについて、話をしました。丸も悩んでいたんだろうけど、良くなっているし、心配ないです。阿部2軍監督、二岡3軍監督、秋広とも話ができました。ファームの選手たちの活躍が楽しみです」とのコメントを寄せた。午前11時半ごろ、約2時間半のパワー注入を終えて球場を後にした。