さあ、熱闘甲子園の本番だ! 桑田、清原ら人気選手に加わり、異色選手たちも今日8日、晴れの開会式に臨む。第67回全国高校野球選手権大会は同日午前9時から開会式を行い、14日間にわたる熱戦の幕を開ける。7日は同球場でリハーサルが行われたが、初めて甲子園の土を踏んだ関東一の右腕、高井隆行投手(3年)は、日大三からの転校生。かつてのクラスメート、同僚と再会しての晴れ舞台だ。復活の名伯楽・栽監督(44)率いる沖縄水産の1年生エース上原晃は背番号11。5季連続出場の荒木(早実)、桑田(PL学園)のデビュー時をダブらせながら140キロ快速球を披露する。

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開会式リハーサル。関東一・高井は、かつての球友、日大三・四万田(よもだ)、柴平らとつかの間の談笑を楽しんだ。「野球が終わったら海にでも遊びに行こうな」と四万田が話しかける。「ああ、いいねえ。ところで柴平は調子いいらしいな」。わずか5分だったが、高井は球友との会話を楽しむと同時に、「三高よりも先に東京には帰らない」と心に誓った。

「野球転校」で甲子園を射止めた球児は今大会では高井だけだ。59年1月31日、高井は名門日大三から無名の関東一に転校した。「転校後、1年間は対外試合に出場できない」という高野連の規定はもちろん知っていた。だが、最後の夏しか甲子園のチャンスがなくなっても、関東一で野球をやりたかった。

日大三の野球部に不満があったわけではない。1年秋に背番号18でベンチ入り。当時から現エース柴平がマウンドを守っていたが、1年夏に帝京―関東一の東東京決戦を見学、三高のOBで合宿にもたびたび顔を見せる小倉監督の明るい人柄に「この人の下で野球をやりたい。甲子園にも行けそうだ」と転校を決意。同じクラスの柴平、東村山シニアからずっと一緒だった四万田は「何で……」と言いかけたが、高井の表情を見て決意の固さを読みとった。「甲子園で会おうぜ」が別れ言葉だった。

そして1年半、高井はもう一つの母校日大三とともに甲子園にやってきた。2日目の第1試合で花園と初戦を行う関東一の後には、日大三も第3試合に登場する。この日も30球の軽い調整を行った高井は「ぜひ先発したい。勝って、余裕で三高を応援をしますよ。三高だって負ける気はしません」ときっぱり。【武石】