阪神ジェリー・サンズ外野手(33)は「3番左翼」で3戦ぶりにスタメン復帰し、打って守ってチームを鼓舞した。

1-0の3回2死一塁。広島先発森下の5球目、甘く中へ入ったチェンジアップを逃さず、高々と左翼席へたたき込んだ。「森下選手は言わずと知れた好投手だから打つことができてうれしいよ」。森下からは昨年から数えて19打席目での初安打。豪快な14号2ランを素直に喜んだ。

アーチは6月18日巨人戦の満塁弾以来14試合、48打席ぶり。笑顔でベンチへ戻ると、前日3日のマルテに続いて本塁打を打った選手への「メダル授与式」が待っていた。北條からかけられた大きな金メダルをゆらしながら恒例のハッピーハンズでナインと喜んだ。

守っても体を張った。5回1死一塁から左打者小園が流し打った左翼への飛球に猛ダッシュ。外野フェンスの金網部分に激突し、ユニホームの右袖を破りながら好捕した。「指名打者がないリーグだから打つだけでは。投手を助けるのは当然」と守りの意識も高い。

前カードのヤクルト3連戦では大山に代わって4番を務めて、10打数1安打。ここ2試合はスタメンを外れたが、前日3日は代打で11打席ぶりの安打となる適時二塁打を放った。「この2日間、しっかりと準備しながらも気持ちは試合に入れていた。休みになった部分もあるし、今日いい結果が出てよかった」。1点を追った9回は四球を選び、広島抑えのルーキー栗林を追い詰めた。打線が湿っている中、サンズの復調は大きい。【石橋隆雄】