勝負どころをわきまえた特大弾だ。阪神ジェフリー・マルテ内野手(30)は豪雨の直前、宿敵を突き放す飛距離140メートル弾を決めた。2点リードの6回裏無死、2ボール1ストライクから戸郷の内寄り149キロ直球をフルスイング。2戦連発となる16号ソロを左翼席中段まで届かせ、「満足しているよ」と納得顔だ。

7月2日広島戦から4番起用されて7試合。早くも3本目の4番弾だ。弾道測定器トラックマンの計測で打球速度は169キロ。飛距離140メートルは今季甲子園で計測された虎アーチの中で最長となった。

ダイヤモンド1周後は「虎メダル」が引きちぎれそうなほど豪快に「ラパンパラ」パフォーマンスを披露。「打順は意識していないよ。3番でも4番でも自分のやるべきことをやるだけ。こうやって勝つことが大切。常にみんなでポジティブな結果を出せるように頑張りたいね」と自然体で喜んだ。

ここまで得点圏打率は3割4分3厘。この日は雨雲が刻一刻と近づいて1点の重みが増すタイミングで、リードを3点に広げる1発を放った。矢野監督は「本当にチャンスに強い。チームに欠かせない存在ですね」と絶賛。頼れるクラッチヒッターの存在感は増すばかりだ。【佐井陽介】

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