阪神2年目西純矢投手(19)が、快投でウエスタン・リーグ最長記録を更新する15連勝に導いた。同広島戦(鳴尾浜)に先発し、プロ最長の8回2安打8奪三振無失点。99年巨人のイースタン記録にも並んだ。「周りは『次勝ったら15連勝か』と言ってきたんですけど(笑い)。楽しんで自分のピッチングをするだけでした」。ざわつく周囲をよそに気持ちの強さを見せた。

新球が生きた。登板3日前から試し始めたシンカーを“ぶっつけ”で実戦初解禁した。左打者の外に逃げる変化球を模索し、先輩左腕高橋から伝授されたツーシームを独自に改良。新たなウイニングショットで4回は韮沢、8回には木下から空振り三振を奪った。

「同じ投球をしてても進化しない。ブルペンと実戦で投げるのは全然違うので、試合で投げてから精度を上げていけたらいい。思ったより良すぎましたね」

7回を終え97球。8回のマウンドには安藤コーチに志願して向かった。「まだ行かせてください!」「責任取るくらいの気持ちでいけよ」。あっさり13球で切り抜け、6回に相手の失策で挙げた1点を死守。「負けられないんで思い切りいった」と鼻息は荒かった。

頼もしい若武者を平田2軍監督は「今日は西に任せようと思わせる。見事じゃないね、『お』がつく、お見事だ!」とたたえた。2日の同戦では両リーグ発足後、ファーム新記録となる16連勝がかかる。「目指すよ、当然ここまで来たら」。指揮官も鼻息荒く勝利を誓った。【中野椋】

▽阪神安藤2軍投手コーチ(西純について)「だいぶやっていることも出せてきてますし、徐々にできることも増えてきている。(続投は)見てたら余裕があったんで、まだ大丈夫かなっていうのと、彼の意気込みを買いました」