阪神は28日、今季限りの現役引退が明らかになった中田賢一投手(39)の引退会見を29日に行うと発表した。

中田はこの日、ソフトバンク3軍との練習試合が行われた鳴尾浜での試合前練習に参加した。練習前に投手陣の輪の中で、首脳陣に見守られあいさつ。「17年間で一番の誇りはダッシュを最後まで手を抜かなかったこと」「強いチームにどんどんなっていますし、こうやって実際にウエスタンリーグも優勝しましたし、これから最強阪神軍団を作ってください」と後輩たちへ思いを伝えた。古巣のソフトバンク関係者ともあいさつを交わした。

練習後、取材に応じた中田は「僕はずっとやり続けてきたこと、野球につながると思ってやってきたことが、結果につながったどうかは別として、やり続けてきたというところがあったので。後輩たちに自分がいいと思っていることはやり続けてほしいという話はしました」と話した。続けて「やっぱりこういう風に好きな野球を職業にしてできたということが一番ですね。辛いことももちろんありましたけど、好きなことを職にできることは、これほど幸せなことはないので。それを常に思ってやっていたので一生懸命やろうという思いでやっていました」と原動力を語った。

平田2軍監督は「常にウオーミングアップから手を抜かずに、賢一はしっかりやっていたんでね。やっぱり小さいことをしっかりやるということ。今の選手たちにもうるさく言っているけど、なかにはできていない選手もいる。コーンまで走る。最後の1歩まで妥協しない。そういうところで賢一がいいこと言ってくれた」とねぎらった。

中田は北九州市大から04年ドラフト2巡目で中日に入団。13年オフにFAでソフトバンクに移籍。18年には史上136人目の通算100勝を挙げた。

19年オフに無償トレードで阪神に移籍。先発の一角として期待されたが、3試合に先発し0勝2敗に終わり、今季は1軍登板がなかった。先発、中継ぎで通算297試合に登板。100勝79敗1セーブ、16ホールド、防御率3・75。「暴れ馬」と呼ばれ剛球で真っ向勝負してきた右腕は29日、引退会見で思いを語る。

◆中田賢一(なかた・けんいち)1982年(昭57)5月11日生まれ、福岡県出身。八幡-北九州市大を経て04年ドラフト2巡目で中日に入団。1年目から先発や中継ぎで活躍し、07年には自己最多の14勝を挙げた。13年オフにFA宣言し、ソフトバンクに移籍。18年8月26日の西武戦で、史上136人目の通算100勝を達成した。19年オフに無償トレードで阪神に移籍。今季2軍では13試合48イニングを投げて4勝3敗、防御率5・81。夫人は元ABC(朝日放送)アナウンサーで現在フリーの角野友紀(34)。181センチ、84キロ。右投げ右打ち。