悲願の新人王へ、ラストアピールじゃ! 広島栗林良吏投手(25)が、シーズン最終戦となる1日ヤクルト戦(神宮)で快挙に挑む。あと1セーブで、15年山崎(DeNA)の新人最多セーブ記録の37に到達し、09年岩瀬(中日)が持つプロ野球歴代2位の20試合連続セーブに並ぶ。シーズンを通してセーブ機会失敗なし、被弾0本の快投締めで、有終の美を飾る。

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栗林が秋晴れの日差しを一身に浴び、今季ラスト登板への準備を整えた。マツダスタジアムで行われたシーズン最後の全体練習に参加。キャッチボールやダッシュなどで汗を流した。今季最終戦となるヤクルト戦は、同期入団の小林がプロ初登板初先発を務める。「小林の勝ちをそのまま付けられるように。自分の結果よりはチームの結果を優先してしっかりやりたい」と気合を入れた。

最後の「1セーブ」は、大きな意味を持つ。15年山崎(DeNA)の新人最多セーブ記録「37」に並び、レジェンド守護神の岩瀬(中日)が09年に記録した歴代2位の20試合連続セーブに肩を並べる。2つの快挙達成はセーブ機会の登板に限られるが、「自分がいい形で終われているということは、チームもいい形で終われている。最後の試合もいい形で終われれば」と快投締めを望んだ。

新人王獲得に向けても、最後に大きなインパクトを残すことにもなる。すでに数々の記録を塗り替え、東京五輪でも2勝3セーブと金メダル獲得に貢献するなど、強い印象を残してきたが、あと「1セーブ」で大きな付加価値がつく。栗林は「セーブ機会で回ってきて抑えれば、(新人王に)1歩近づくのかなとは思いますけど、自分の力ではどうにもできない。回ってきたらしっかり役割を果たすだけです」と引き締めた。

新人ながら開幕から守護神を託され、ここまで52試合に登板し、防御率は驚異の0・70。36度あったセーブ機会で1度も失敗をしていない。被弾0本も高い能力を示している。大きな意味を持つ「1セーブ」を手にして今季を最高の形で締め、「新人王」をグイっと引き寄せる。【古財稜明】