ヤクルトが、若手の2投手で巨人を2戦連続で無得点に抑えた。第1戦の2年目奥川に続き、6年左腕の高橋が6回を2安打8奪三振の無失点。先発が見事に機能しての王手に、高津監督は「よく頑張った」と労った。

シーズン中からCSを見据えた作戦を遂行していた。9月以降、3カードで奥川-高橋の順で先発。9月17・18日の巨人戦、10月8・9日、同19・20日の阪神戦と対戦相手もCSをにらんでいた。奥川がつくった流れを高橋が引き継ぐ“切磋琢磨(せっさたくま)ローテ”。指揮官は「(2人を)高めさせるというか、よくやってきた。今日もそれができた」と明かした。

初回は緊張で変化球の制球に苦しんだ高橋だったが、自らその苦境を脱した。いきなり2死満塁のピンチ。それでも、中島をカウント2-2から伸びのある高め真っすぐで空振り三振。ガッツポーズをみせた。2回以降は、中村の「直球」のサインを信じて腕を振った。8奪三振のうち2回の菅野以外の決め球は、すべてストレートだった。

常に10割の力ではなく、あくまで8割程度。今季初めて1軍登録された6月、伊藤投手コーチから「力まず、8割の10の力で投げろ」と指標を授けられた。その言葉で新しいスタイルを手に入れた。「初回は力んでしまったけど、そこから冷静に打者1人1人に集中して投げることができた」と喜んだ。【保坂恭子】