広島の絶対的守護神・栗林良吏投手(25)が6日、SSK社の「広告塔」になることを誓った。1年目オフでは異例となるアドバイザリースタッフ契約を来季から結ぶことが決定している右腕は、大阪市内のホテルで行われた同社の「プロスタッフ会議」に出席。来季使用予定の「水色」を基調とした新グラブをお披露目した。新しい相棒を手に、記録ずくめの1年目からさらなる飛躍を目指す。

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ルーキーイヤーに圧倒的な存在感を示した栗林が、SSK社の“シンボル”となる。22年シーズンから同社とアドバイザリースタッフ契約を締結した。名城大3年時から同社の用具を愛用している栗林は「活躍することが一番の恩返しになりますし、PRになると思う。貢献できるように、しっかりやっていきたい」と力を込めた。

1年目のオフとしては異例のスピード契約だ。今季は開幕から広島の守護神に抜てきされ、新人の連続試合無失点記録、東京五輪では侍ジャパンの守護神として金メダル獲得に貢献。セーブ数は新人最多タイ記録の「37」と抜群の成績を残し、新人王最有力に挙げられる。同社の担当者は「あれだけ活躍されて、非常に露出もあるし、知名度も抜群。今も使っていただいているので、契約をお願いしました」と説明した。

SSK社の「プロスタッフ会議」では、来季用に新調したグラブをお披露目した。これまでブラックがメインだったが、同社が売り出し中のこれまた異例のサックス(水色)カラーを基調としたグラブで、カープカラーの赤をひも部分に取り入れたものを来季使用する筆頭候補に挙げている。担当者は「ありがたいことに、栗林投手が『SSKさんが推したい色で』って言ってくださった」と明かし、栗林は「自分がこだわりを持っているところは貫いて、あとはSSKさんの力を借りているということで、色、形だとかはできるだけ協力したい」と話した。

2年目も守護神を務めることが決定的となっている。来季に向け「今シーズンよりも活躍することが一番大事。チームのクローザーとして、1年間戦い抜いて、チームのリーグ優勝、日本一に貢献して、笑ってシーズンを終えられるように頑張りたい」。新たな相棒を携え、2年目も圧倒的な数字をたたき出す。【古財稜明】

○…栗林のグラブには細部へのこだわりが込められている。土手部分は「レンスコアパッド(縦割り)」と呼ばれるつくりが取り入れられた。一般的にひもが横向きで固定されている部分が縦向きとなっており「形が変わりにくい」という。加えて背面部分は「フリーフレクション」と呼ばれるものを採用し、通常人さし指から小指部分それぞれにラインが入っている部分を斜めに連結させ、ボールをつかむことを手助けする。来年の秋冬には「栗林モデル」のグラブが発売される予定。また、座右の銘の「謙虚」、沙耶夫人を数字で表した「38」、金運アップの「金のうんこ」、白星量産を意味する「白い星」などの刺しゅうは来季も継続する。