来季の甲子園がきらびやかなド派手空間に様変わりする。来季からナイター照明がLEDに変更。白色とオレンジ色の2色を駆使して、映像や音響設備と連動した照明演出が可能になると発表された。球団担当者は力を込めて言う。

「映像および音響と連動したさまざまなパターンの照明演出を試行中です。皆さまの1試合1試合の試合観戦がより思い出として残るように、これまでにない非日常空間を目指します」

漆黒のなか、カクテル光線で浮かび上がる緑のフィールドも魅力的だったが、進化した形でエンターテインメント空間を創出する。ナイター照明でしま模様や斜線模様などのほか、阪神タイガースのTHマークなど文字も表示。従来のHID照明では実現できなかった瞬時点灯が可能になる。

特に攻撃時はボルテージを最高潮に高める仕掛けもある。チャンス時は場内照明で「GO」や「CHANCE」、本塁打を放った際には「HR」の文字が浮かび上がる。大山や佐藤輝がアーチを懸ければ、これまで以上に盛り上がりそうだ。虎が走ったり、ラッキーセブンの演出ではジェット風船が飛んでいるような絵柄も検討する。いずれも現状での想定だが、令和の甲子園の新たな風景になる。

来年は米大リーグやNBAなどに負けないライトショーが猛虎の戦いを後押し。LED化で省エネも実現するが熱気は高まるだろう。「阪神タイガース優勝の瞬間も新しくなった演出照明でより盛り上げたい。ファンのみなさま、ぜひ楽しみに待っていてください」と担当者。新しい甲子園が矢野阪神の進む道を照らす。

〈近年の主な甲子園改修〉

◆内野席(08年3月)一塁側が黄色、三塁側がオレンジ色だったシートは深緑色に統一された。内野席数は約1万9500から約1万6000に減少。

◆銀傘(09年3月)横幅が左右に伸び、アルプス席を除く内野席全体を覆う形に架け替えられた。

◆照明灯(09年3月)スタンド内にあった柱がスタンド最上段と球場外周に移り、客席からの視界が良好になった。

◆太陽光発電(10年3月)銀傘に約1600枚の太陽電池パネルを設置。年間の推定発電量は年間ナイター照明使用量(1試合3・3時間として54試合)に相当。

(年月は工事完了時)