ロッテの育成ドラフト2位、速水将大内野手(21=BC・富山)は、威勢のいいことは言わない。

「みんなガタイがでかいので、そこではもうどうしてもかなわないので、違うタイプとして生きていきたいと思います」

己を知り、生きる道を追究する。「代走から守備固め、みたいな…」。決してレギュラーを目指していないわけではないが、戦略としてまずはそこでのプロフェッショナルを目指す。

経験は豊富だ。小学1年で尾張一宮リトルリーグに入った。小1から硬球でプレーする少年は、決して多くはない。4歳上の兄の影響で練習に付いていった。「怖かったのと、僕自体、野球が好きで始めてないので」と笑って振り返る。

高校は長野の日本ウェルネス筑北へ。「高校で地元から離れてたので、大学は地元に戻りたいというのがあって」と愛知の至学館大を専願。ただ「4年制と短大を両方受けて、4年制の方がちょっと…」ということで、短期大学部出身というプロ野球選手としては珍しい経歴になった。

「野球は、正直きついとか苦しいことの方が多かったんですけど、試合で勝ったり何か成し遂げたときの達成感が忘れられなくて」と粘り強く続け、BCリーグでNPBスカウト陣に認められた。高校の硬式野球部に所属せず、BC・富山からロッテ入りし盗塁王になった和田康士朗外野手(23)の活躍も心強い。

1年目の目標も「支配下登録」とは口にしない。「チャレンジ。どんどん挑戦して、失敗も多いと思うんですけど、どんどん成功につなげていければと思います」と意気込む。BCリーグのCはチャレンジのC。これまでと同じように、ロッテでも自力で生きる道をひらく。【金子真仁】