日本ハム立野和明投手(23)が、プロ初の開幕ローテ入りを引き寄せた。13日、オープン戦の広島戦(マツダスタジアム)に先発。約2週間ぶりの実戦を、5回6安打無失点にまとめた。今季は登場曲を登板ごとに変えるプランを検討中。社会人出身の3年目右腕は、投球以外でもファンを盛り上げていく。

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気負いはゼロ。待ちに待ったマウンドで、立野はひょうひょうと投げ抜いた。「状態いいって言ったじゃないですか」とドヤ顔で振り返るほど、5回6安打無失点に手応え十分。直球を軸にカットボール、スライダー、スプリットなど全球種を織り交ぜ、全てに合格点の自己評価を与えた。「シーズンに入っている想定で投げた。良かったなと思いますけど、ここからさらに気を抜かずに練習します。練習が一番大事です。ちゃんと書いておいてください」と笑った。

リフレッシュ期間を経て、心身の切り替えに成功した。開幕ローテへの強い思いが、重圧になっていた。2月27日の広島戦以降は実戦から離れ、フォーム修正に励みながら積極的休養に充てた。「1年間投げることが目標なので、そこじゃないっていうので、だいぶ気持ちも楽になった。だいぶ状態が上がってきた、一気に。こういう上げ方もあるんだ」と学んだ。

武田投手コーチは「本当に状態を上げてくれて、間に合わせてくれた。ローテーションに入ってもらいたいピッチャーだから、その内容でよかったです」と評価した。シーズン途中に1軍デビューを飾った昨季は、先発10試合で防御率2・17と安定感を披露。立野は「去年よりは全然、成長出来ている」とかみしめた。今後は60~80%の状態を維持しながら、先発としてゲームメークすることを心掛けていく。

投球とともにファンを楽しませるため、今季は登場曲を固定せず、登板ごとに変える。ファンからのリクエストに応えたり、球場入りして最初に会った選手に決めてもらうなど計画中。「僕が投げるとき、何の歌が流れるんだろうってなる」と、サプライズ感あふれる演出を練っている。

飛躍を期す社会人3年目。「たくさん食べて、たくさん寝て、たくさん練習する。そうしたら試合でまあまあ、頑張れます」と等身大の魅力満載で、開幕へと突き進む。【田中彩友美】

◆日本ハムの開幕ローテ候補 昨季、チーム最多の12勝を挙げた上沢、新人ながら2桁勝利の伊藤、初めて規定投球回をクリアした加藤、この日好投した立野が現時点では有力。3日ヤクルト戦で先発し、4回1失点の2年目左腕根本、5日巨人戦で5回無失点の河野のほか、昨季4勝の池田、プロ初勝利を挙げた生田目らがチャンスを伺う。12日に合流したばかりのガント、この日来日したポンセの両外国人は、開幕ローテ入りには間に合わない見込み。