広島OBによる「カープレジェンドゲーム」が21日、マツダスタジアムで行われた。山本浩二氏(75)を始め、FA移籍後初の広島ユニホームとなる金本知憲氏(53)や江藤智氏(51)らも参加。

16年優勝の立役者である黒田博樹氏(47)は先発登板しただけでなく、「夢のレジェンド対決」で新井貴浩氏(45)と対戦するなど、1万6000人が集まったスタンドを沸かせた。レジェンド選手による収益の一部100万円は、広島県医師会に寄付された。

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マツダスタジアムに背番号15が帰ってきた。お祭りムードの中でも、マウンド上の黒田氏は笑わなかった。

「癖ついているんですよね。マウンドに上がると、なんか笑顔が出ないというか、モードが変わってしまう。そんな中でも、自分の中では楽しめたので良かったです」

チーム「Hiroshima」の先発として登板し、試合途中に行われた「レジェンド対決」では盟友新井氏と対戦。カウント2-2から中飛に打ち取り、両手を上げて喜んだ。最後まで真剣勝負でスタンドを沸かせ、大きな拍手を受けた。16年以来のマウンドは、やはり格別だった。

「これだけたくさんのファンの前で、また同じ景色を見られる機会をもらえた。引退して5年たちますけど、やっぱりこういう景色をまた見られたことは、幸せなことです」

野球人として特別な場所だからこそ、体が動いた。メンバー発表時、闘病中のため欠場した北別府氏の背番号20のユニホームを掲げた。

「画面の前で見られていると思うので、そういうメッセージをみなさんで送れればいいかなと」

試合が始まると、その思いは先輩に託した。大野氏が証言する。「黒田がちょっと相談があります、と。君が着て投げたらと言ったんですけど、一番ふさわしいのは大野さんじゃないですかと」。最終回の5回表2死から背番号20を着用して正田氏を空振り三振に切った左腕は、思いを届けるように背中の20番を指さした。

チケットは販売から約15分で完売し、1万6000人を集めた。オールドファンを中心に熱狂したマツダスタジアムで、まもなく22年シーズンが開幕する。

「(鈴木)誠也は抜けましたけど、投手はしっかりしていますし、打線も若い選手も出てきているので、すごく期待している。佐々岡監督が言われている一体感を持って戦っていって欲しい」

16年のような歓喜に沸く光景を後輩たちに託し、黒田氏は球場を後にした。【前原淳】

 

▽広島OB会長大野豊氏(20番を背負い登板)「20番を付けたら北別府のためにというのもありますし、北別府の思いというのもあります。彼の代役をしなきゃいけないという思いで投げたつもりです。恐らく北別府君も何らかの形で映像を見てくれてると思いますので、今の病気等々に打ち勝って、何とか元気になっていただいてという気持ちが我々も強いです」

▽北別府学氏(試合前に発表されたコメント)「なんとか参加したいと闘病を続けていました。担当の先生にも伝え、頑張り、順調だったのですが、万全ではなく、やむなく欠席となりました。残念でなりません」