完全試合の難しさが、誰よりも骨身に染みている。西武西口文也ファーム監督(49)は、28年ぶりの偉業を達成したロッテ佐々木朗希投手を称賛した。「13者連続三振というのもすごいと思いますが、ルーキー捕手の松川選手を信頼してできること、また松川選手も佐々木投手から信頼を勝ち得ていることが素晴らしいです」とバッテリーとして勝ち取った完全試合に賛辞を贈った。

さかのぼること17年前、同ファーム監督は「完全試合」をつかみかけていた。05年8月28日楽天戦で、9回終了までパーフェクト投球を披露していた。しかし、打線は相手先発・一場を攻めあぐね、0-0のまま延長戦に突入。すると10回先頭・沖原に右前安打を許した。無失点で切り抜け、裏の攻撃で石井義のサヨナラ打で勝利はしたものの、記録は完封試合となった。

記録には残らないが、9回パーフェクトに限れば、“達成者”の1人。それでも「(佐々木朗の)完全試合については、何も言うことがないくらいすごいです」。通算182勝のレジェンド右腕は、ノーヒットノーランも02年8月26日ロッテ戦と05年5月13日巨人戦で2度、9回2死のあと1人で打たれた。だからこそ思う。「達成することよりも、達成間際の方が難しいかもしれませんね(笑い)」。完全試合の重みを、言葉に込めた。