楽天炭谷銀仁朗捕手(34)が、攻守の活躍でチームに球団タイ記録となる7連勝を呼び込んだ。4回に適時内野安打を打つと、6回にはスクイズを決めて2安打2打点。守っては3被弾の先発・岸を立て直し、継投では盤石の無安打リレーを演出。13年7~8月以来の7連勝で、首位固めの大型連休を走り抜ける。

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抜けたと思った当たりを止められ、一塁目がけて加速した。1点を追う4回2死満塁のチャンス。炭谷は4四球と苦しむ日本ハム伊藤の2球目、甘く入ったスライダーを強振した。三遊間への鋭い打球に、遊撃・水野が横っ跳び。「捕られた瞬間うわって思ったんですけど、ヒットになってよかったです」。悪送球で、記録は内野安打による一時同点の一打。さらに適時失策で追加点も呼び込んだ。

直後に先発・岸が、清宮から2打席連続ソロを浴び、再び追いつかれるシーソーゲーム。炭谷は「ちょっと苦しかったですけどね」と4回は同点にとどめ、6回の攻撃でスクイズを成功させた。前打者・辰己のセーフティースクイズに続く2者連続スクイズのサイン。初球、警戒して外してきた相手バッテリーに対し「普段あまりしない素振りを3回くらいしました」と、“打ち気”を醸し出しながら、きっちり打球を転がした。

「9番打ってるし、常に作戦に関しては状況で何があるのかは頭入れて打席入っている。準備は大丈夫です」とプロの仕事を遂行して、日本ハムの1発攻勢に対し小技での勝利。捕手としては、6回以降無安打継投での0行進を演出した。

こどもの日に、球団タイ記録の7連勝をもたらした。捕手一筋の野球少年時代、歴代の名捕手を見続けたことを思い出しながら「僕もプロ野球選手になって、炭谷は炭谷の像をつくろうとやってきた。子どもたちもいろんな選手を目標にしてマネしてみるのもいいと思います」とメッセージ。首位を走る楽天の扇の要には、ドッシリと構える炭谷がいる。【栗田成芳】

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