湿りがちだった主砲のバットが久々に快音を鳴らした。両チーム無得点で迎えた6回。巨人の4番、岡本和真内野手が投手戦の緊迫を打ち破る。

丸、ウォーカーの連打と吉川の犠打により1死二、三塁という好機で打席に立つ。5回までチームが3安打に抑えられていた阪神のエース青柳に、前打席まで2三振を喫していた。

カウント1-1。2球連続で来た内角低めの143キロツーシームを見逃さなかった。左前へ先制の2点適時打。甲子園の巨人ベンチが沸いた。

12日DeNA戦の第2打席で12号ソロを放って以来、実に29打席ぶりの打点。「バントなどでみんながつないでくれたチャンスだったので、何とかランナーをかえしたかった。戸郷も頑張っていたのでとにかく打てて良かった」。岡本和に少し笑顔が戻った。

3、4月で本塁打10本、25打点を挙げていたバットが5月に入り、試合前時点で本塁打2本、4打点と調子を落としていた。35打点でトップを走るヤクルト村上との打点王レースも巻き返しに行く。【三須一紀】