後輩たちに感謝した「真夏の新庄劇場」だった。日本ハム新庄剛志監督(52)が強行軍で母校の西日本短大付(福岡)の試合を甲子園で観戦した。到着直後に聖地がパニック状態となり、別室へ移動するハプニングもあったが、7回まで母校の試合を目に焼き付けた。その後、京セラドーム大阪へ移動してオリックス戦の指揮を執った。母校も自軍も敗れてはしまったが、日本一を目指して戦うシーズン終盤へ向けて大きなパワーを得た1日となった。
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新庄監督は人生で初めて甲子園の放送席から野球を見た。「感動した」。高校時代に一緒に聖地を目指した西村監督が率いる、母校の後輩たちの必死なプレーは感動の連続だった。
新庄監督 1つのアウトに対して、みんなが声をかけて。西村監督もバントを失敗しても「大丈夫、大丈夫。次、次」ってバッターに指示して。(右翼から好返球を見せた斉藤大将外野手も)良かったね。いい肩していたし、チャージもよかった。1つの送球でも感動させれるんだなぁって。負けはしましたけど、いろいろ学べる部分があった。
本当はもっと“OB感”丸出しでエールを送るつもりだった。事前に、西村監督から母校のユニホームを1枚借りていた。それを着て応援したかったが、「それ着ちゃダメって言われたんで(笑い)」。素直に指示に従った。代わりに白Tシャツにグレーのパンツ、赤いネルシャツを腰に巻いてド派手なサングラスも着用する私服姿で観戦だ。
すぐにバレた。放送席に現れて1分も経たないうちにファンが集まりだしてパニック状態に。最上階のロイヤルスイートルームへ移動となった。
新庄監督 入った瞬間に「ビッグボス」って、みんな言っていたから手を振ったら拍手が起きて、別室に変更されました(笑い)。もう24メートルぐらいのオーラが甲子園中に光っていたから、すぐバレました…もう、ええって(笑い)。
7回まで後輩たちのプレーを見て甲子園を離れた。約25分間の移動中に敗戦を知って「散った~」と苦笑いで京セラドーム大阪入り。日本ハムもオリックスに敗れて41日ぶりの連敗となったが、強行軍で得たパワーは計り知れない。
新庄監督 (後輩)選手たちの姿を見て、いいところは今のファイターズにもマッチするし、すごく感動を与えるチームになるんじゃないかなって思ってスタンドで見ていた。甲子園で2勝もしてくれて、楽しい思いにさせてくれた。
次は感動させる番。さらにドラマチックな「秋の新庄劇場」へフル充電完了だ。【金子真仁、木下大輔
▽新庄監督ドキュメント
◆午前10時17分 甲子園のバックネット裏のスタンド席に到着。「すごいなぁ。(甲子園のスタンドには)初めて来た。めっちゃきれいだな」と着席。1分もたたないうちに観客に気付かれてパニック状態。手を振って歓声にも応えていたが、約5分後には警備員が10人ほど緊急派遣されて観客に「自分のチケットの座席にお戻りください」と何度もアナウンスされる。
◆同24分 観客が通路に押し寄せる危険な状況となり、急きょ最上階のロイヤルスイートルームへ移動。甲子園のライナービジョンに表示された「神村学園」の「神」の上に座ったように見える神がかったシーンも。今回のような対応について、大会関係者も「清原以来では」と驚く。
◆同51分 西日本短大付の試合が始まる。
◆同11時10分 2回表に右翼から補殺を決めた斉藤大将外野手(2年)のプレーに15回ほど拍手。
◆同21分 3回裏に奥駿仁外野手(2年)が放った遊撃内野安打に「セーフ!」のジェスチャーも、犠打失敗で両手を上げてオーマイガーのジェスチャー。
◆同40分 5回表にスクイズ阻止を察した瞬間にうなずき、軽く拍手。
◆同51分 5回裏が終わってクーリングタイム。新庄監督も飲み物をゴクリ。
◆午後0時25分 7回裏が終了し、甲子園を少し見渡して席を立つ。10人ほどのファンがスマホ撮影で出待ち。「新庄さん頑張って~」に対して「は~い」と言って同28分に京セラドーム大阪へ向けて出発。
◆同55分 京セラドーム大阪へ到着。18日先発の伊藤大海を取材中の報道陣の横を通り抜ける際に「散った~」と苦笑い。
◆同2時1分 オリックス戦が開始。
◆同4時38分 0-3でオリックスに敗れる。
◆同47分 報道陣へ取材対応後、京セラドームを後にする。



