虎のヒットマンが「ミスター超え」の偉業だ。阪神近本光司外野手(29)が節目の一撃で流れをつくった。0-0の3回に先頭で中前打。浜口の外角135キロスライダーに逆らわなかった。入団から6年目以内の通算安打数を927とし、長嶋茂雄(巨人)の持つプロ野球記録を超えた。
「超えられたってことは事実なので。またね、1つ1つ積み上げていくだけなので。また明日から頑張りたいと思います」
この一打から1イニング一挙4点。一喜一憂はしない。次の1本だけを求める男の視線は前を向いていた。やるべきことも「変わらない」と言った。
入団から3年目までの476、4年目までの630、5年目までの773安打も歴代トップで、これで“4連覇”だ。どこまで続くのか。その話題になると「どこまで野球するかやなあ」と不敵にほほえむこともあるが、心の中では確かに狙っている。
同記録の7年目以内の最多は青木宣親(ヤクルト)の1114。現時点で残り187安打が必要になる。青木は7年目に209安打を放っており、ハードルは高いといえる。
そのために今季中に“貯金”を稼ぎたいところ。残り10試合でシーズン150安打に到達すると、ひそかに目標設定していた。「10試合で15本打てば165安打になるなあ」。達成には2試合で3安打が目安となる。記録に執着しない男。だが、こだわる数字にはとことんこだわる。そこと向き合い楽しむことができる性格だ。
節目の試合を終えても「どうやってこの打席ヒットを打つかっていうのは変わらないと思う」と冷静に語った。「横浜でも、相手がジャイアンツでも関係ない。はい、しっかり頑張ります」。甲子園でスパートが始まる。【中野椋】



