必死のパッチ! プロ16年目の阪神原口文仁内野手(33)が執念のヘッドスライディングで今季初安打をマークした。5回の満塁の場面で「代打の代打」で登場。投手強襲の内野安打を放った。チームは10-9で迎えた9回にラファエル・ドリス投手(37)が代打坂本に中前打を浴びてサヨナラ負け。今季初めて2ケタ失点を喫し、球団最多タイとなるシーズン巨人戦18勝も逃した。
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原口が気迫をむき出しにした。5回の攻撃だ。1点差に迫り、なおも1死満塁。鋭いゴロを打ち返すと、相手投手が捕球できず白球は後ろに転がった。全力疾走し一塁にヘッドスライディング。力強く手を2度たたいた。「きれいなヒットじゃなかったので、何とか1本ほしいという気持ちが出た」。自身がお立ち台でたびたび用いるフレーズ「必死のパッチ」。そのフレーズを体現するような鬼気迫るプレーを見せた。
厳しいプロの世界を生き抜いてきたプロ16年生が打線に火を付けた。3点ビハインドの5回は3者連続四球で1死満塁。坂本の適時打、熊谷の押し出し四球で1点差とした。1度は代打楠本が告げられるも、「代打の代打」で原口が登場。「みんながつないでくれた、すごく重要な場面。そこで打てて良かった」。今季チーム最多1イニング7得点。打者11人の猛攻につなげた。
「やっと。だいぶ期間も打席数も、かかってしまった」
チーム130試合目、自身13打席目でようやく飛び出した今季初安打だった。今季は開幕1軍も4月13日に2軍降格。7、8月に1度ずつ昇格も、ともに2週間以内で出場選手登録抹消となった。国内FA権行使も残留し迎えたシーズン。2軍練習で志願してシート打撃の打席に立つなど若虎に負けじと汗を流してきた。
7日リーグ優勝を決めたチームは、今季最後の「伝統の一戦」でサヨナラ負け。それでもCS、日本シリーズに向けて原口の活躍は明るい材料だ。「次の戦いがあるので、それに向けてもっと結果出していきたい」。残り13試合とシーズンも終盤の9月中旬。背番号94が、頼もしい姿を見せ始めた。【塚本光】



