<オリックス10-7中日>◇2日◇スカイマーク
神戸の夜空に打ち上がった付加価値たっぷりの2アーチにファンも選手も酔いしれた。
ドラマは8回に始まった。スコア0-7。今季初となるホームでの完封負けは目前だったが、つなぎにつないで3-7。なおも無死満塁。北川博敏内野手(38)が中日高橋の2球目、真ん中直球を振り抜いた。バックスクリーン右に吸い込まれる。「正直ドキドキやった。あんだけヒットが続いて…。ベンチに帰ってきてから体が震えた」。近鉄時代の01年9月26日、代打逆転サヨナラ満塁弾を放った。優勝決定試合では史上初となるミラクルの1発。試合を振り出しに戻すと、ドラマは一気にクライマックスに向かった。
延長11回1死一、二塁で今度はT-岡田外野手(22)だ。目の前で後藤が2度目の敬遠四球で歩かされ、燃えていた。「何とかバットに当ててやろうと」。フルカウントからの7球目。ノーステップ打法からパワーで押し込んだ打球は右中間スタンドに吸い込まれる、自身初のサヨナラ3ラン。本塁でナインからペットボトルの水を全身に浴びた。球団からお立ち台共演を求められた北川が「今日はニューヒーローでしょう」と辞退したため、まさに独り舞台となった。T-岡田は「ヤバイです。ちょっと体が興奮しすぎた」と、用意していた秘密のお立ち台パフォーマンスを忘れてしまうほど興奮した。
劇的な2発で負けゲームを勝ちにひっくり返し、中日戦の連敗を8でストップ。4日からは阪神戦。T-岡田は「この勝ちで勢いをつけて関西対決、頑張ります」と力を込めた。岡田オリックスが勢いに乗って、甲子園に乗り込む。【押谷謙爾】
[2010年6月3日9時21分
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