<横浜4-10阪神>◇19日◇横浜

 21日にも優勝マジック点灯だ。首位阪神が横浜戦で球団記録に並ぶ3試合連続2ケタ得点と大勝し、連勝を5に伸ばした。4番の新井貴浩内野手(33)が3安打、自己最多タイ6打点と黒虎打線を引っ張った。阪神の3試合連続2ケタ得点は05年9月以来5年ぶり。05年は岡田監督2年目で優勝を飾っており、同じ2年目の真弓監督にとっても吉兆となりそうだ。20日からの巨人戦(東京ドーム)に連勝し、2位中日がヤクルトに1敗か1分けなら優勝マジック31か32が出る。

 球団史に新しい1ページを刻む放物線だった。新井は、8-3の8回2死二塁で打席に立った。加藤の146キロ直球をフルスイング。横浜の夜空に美しいアーチをかける15号2ランを放って「打った瞬間に入ると思いました」。この一撃で球団タイ記録となる3試合連続2ケタ得点が完成した。優勝した05年以来4度目という吉兆レコードは4番のバットがもたらした。「すごいですね。すごいと思います」と、立役者の新井もびっくりした攻撃力だ。

 絶好調の4番がけん引している。まずは同点の3回2死二、三塁。藤江の高め直球をとらえて、右前に運んだ。勝ち越し2点適時打に「2死からみんながつないできたチャンスなので何とか生かしたかった。良かった」。この日は5回の適時二塁打、6回1死一、三塁の遊ゴロも合わせて1試合6打点。昨年8月6日中日戦以来3度目の自己最多タイ記録だ。しかも11試合連続安打、7試合連続打点と止まらない。打率も5月7日広島戦以来となる3割に到達した。好調の理由を聞かれて「巨人という目標があって、毎試合気持ちを入れて戦っている結果じゃないですか」と言った。

 心の中に渇望がある。「満足なんかしていない。ホームランも少ないし、打率もそんなに高くない」。新井は、連続安打継続中にそう口にした。05年ホームランキングとしての自負もある。金本の代役から座り続ける4番には「いいときも悪い時も気持ちを強く持って。悪かったら切り替えるようにしている」。夏場に入って看板も板についてきたが、「満足したらそこで終わってしまうから」と自分を厳しく戒めている。

 「黒虎打線」は打率3割がマートン、平野、新井、ブラゼル、城島と5人を数える。真弓監督は「各打者が調子を上げてきている。(足もからませ)ただ打って取ってるだけではないんで、(相手投手を)攻略できている」と目を細めた。「ダイナマイト打線」と言われた48、49年当時の黒いユニホームに恥じない攻撃力で5年ぶりの優勝に突き進む。中心の新井は「歴史があるし、伝統の重みを感じながらプレーしています」と言った。

 20日からは敵地で3位に転落した巨人3連戦。連勝すれば、2位中日の結果次第で21日にも優勝マジックが点灯する。リーグ3連覇のライバルとは3ゲーム差がついたが「関係ないですよ、何ゲームだろうが。大切な試合に変わりはない。高校球児のような気持ちになって、がむしゃらにやりたい」。2年前、巨人に最大13ゲーム差をひっくり返された悪夢を忘れてはいない。次に黒い復刻ユニホームを着るのは24~26日の広島戦だが、問題はない。チャレンジャーとして宿命のライバルにぶつかる。【益田一弘】

 [2010年8月20日8時46分

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