中日落合博満監督(57)が5日、最強打線を組むべく「助っ人併用プラン」へ動きだした。ブランコ、グスマン、カラスコの3人に外野特守を命じ、実戦に向けて複数ポジションの準備を通達した。15日からの練習試合では3人を一塁、三塁、外野に同時先発起用する。実現すれば、得点力不足解消の“特効薬”になる。

 北谷球場メーングラウンドに助っ人3人が集結した。落合監督が見つめる中、それぞれが外野グラブをつけ、笘篠外野守備走塁コーチのノックを必死に追った。この時、指揮官の頭には力自慢の助っ人たちを、守備でどう使うかというプランが渦巻いていた。

 外野特守の後、落合監督は3人を呼び、チームとしての方針を伝えた。「監督には一塁だけでなく、三塁、外野もやれと言われた。やっていく中で適性を見てくれるのだと思う」とグスマンが明かした。来日2年間は一塁に固定されていたブランコも「監督からは(外野守備は)こうやってやるんだということを教えてもらった」と外野守備の基本からたたき込まれた。

 「まだ、見てみないとわからない。実戦を見てみないとわからないよ」。

 落合監督はキャンプ前、外国人選手の起用法について明確な答えを出していなかった。実戦を見てからの判断。早ければ実戦2試合目となる17日のLG戦(北谷)にも3人をスタメン起用して一塁、三塁、外野のテストを行う予定だ。「助っ人」と言えば文字通りポジションを与えられ、守備には多少目をつぶってもらえるのが一般的だが、落合竜では通用しない。競争にさらされ、最初の実戦からふるいにかけられる。

 1軍外国人枠は4。投手はチェン、ネルソンで決定的。残る野手2枠をブランコ、グスマン、カラスコの3人が争う形だが、複数ポジションを守ることができれば打線に助っ人2人を併用できる。昨季はチーム防御率はリーグ1位だったが、打率、得点は同5位。ブランコとグスマンが打線に並ぶことが、得点力不足解消の1手となる。笘篠守備走塁コーチは併用の可能性を感じていた。

 「グスマンは練習すれば、外野を守れる可能性があると思う。打球に対する1歩目の速さとか、あの体であれだけ動けるとは思わなかった」。

 昨季合計91本塁打を放った森野、和田、ブランコのクリーンアップに、2Aで33本塁打のグスマンが加わる。実現すれば、ファンにとって胸おどるような打線が完成する。【鈴木忠平】

 [2011年2月6日10時11分

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