<ロッテ8-0ソフトバンク>◇17日◇QVCマリン

 最後の打球が中堅手のグラブに収まる前に、ロッテ上野大樹投手(24)は、ガッツポーズを決めていた。初めて任された先発のマウンドを最後まで守り通した。「大量点を取ってもらって緊張がほぐれました。野手のみなさんに感謝です」。6安打。無四球での完封勝利だった。

 初先発が決まってから、この3日間は極度の緊張に襲われた。前夜は23時には床に就いたが、眠りが浅く、夜中に2度も目を覚ました。この日の朝も、早由里夫人(23)がつくってくれたカレイの煮付けとそぼろ丼が、なかなかのどを通らなかった。「少し残しちゃいました」。最後は、かき込むようにして家を出た。「でも、大学の優勝決定戦の時もこんな感じだったので、いい緊張感かなって思ってました」。プラス思考だ。

 昨年結婚した夫人への感謝の気持ちは絶えない。昨オフ、体重を絞ろうと思い相談したところ「体脂肪計タニタの社員食堂」の本を購入し勉強。「これがいいから」と食事のアドバイスをしてくれた。おかげで5キロの減量も成功した。「二人三脚で今までやってきた。今日は絶対勝ってくるからと言って家を出てきた。約束を守れたのがうれしい」と胸を張った。

 プロ3年目になるが、入団当初から先発希望だった。「先発というのはチームの華だし、一番楽しい仕事だと思っている」。ようやく任された希望の場所。逃したくないという強い気持ちを持って投げた。3位からの上昇を目指すチームに、勢いを呼び込む若手の快投だった。【竹内智信】