侍ジャパンを率いる山本浩二監督(66)が、独自色十分の本番モードで前哨戦に臨む。6日、キューバとの強化試合2試合のメンバー29人を発表した。来年3月のWBCを見越し、攻守で用途の広いベテラン井端弘和内野手(37)を選出。テスト起用的な要素もある若手主体の人選になったが、既にWBC代表内定の巨人阿部も含め各ポジションにキーマンを配置し、本番を想定した布陣を組んだ。

 3大会連続の世界一を目指す決意が表れていた。自身の初陣を飾る代表メンバーの名前を呼び上げられた後、山本監督は自信十分に切り出した。「国際試合の経験のない選手もたくさんいます。非常にいい経験になる」。その狙いの1人が、37歳井端だ。球団方針もあり、過去2度のWBCは不参加。今回は直接、電話交渉し打診してまで、招集をかけた。

 WBC本番でも内野のリーダー的存在、重視するつなぎの野球のスペシャリストとして注目する1人だ。山本監督は「内野ならどこでも守れる。打撃も良さを持っている」と評価。国際大会は07年北京五輪予選以来とブランクがあり、今回で慣らし運転する意図があるとみられる。井端は「グラウンドに立てば年齢は関係ない。チームに貢献して、WBCに選ばれるように頑張りたい」と意気に感じ、日の丸を背負う。

 外野手には、日本ハム糸井が初めて代表入り。左手小指骨折で不参加の中田の代役だが「見てみたい」と球団側に強く申し入れ、実現した。WBC第1ラウンド同組、最大のライバルのキューバとの2試合。勝敗へのこだわりを問われ、山本監督は「それ(勝利は)当然でしょ」と即答した。厳選された29人の侍で固め、浩二ジャパンはスタートを切る。【高山通史】