福谷よ、バカになれ!?

 中日ドラフト1位福谷浩司投手(22=慶大)が7日、投手練習で初めて1軍に合流した。今日8日に出場選手登録される予定。150キロを投げ込む豪腕は、中継ぎ強化を期待される。今中慎二投手コーチ(42)は慶大理工学部出身のインテリ右腕に対して学歴不問?

 マウンドでの100点満点を求めた。

 偏差値70を超える秀才右腕に闘魂が注入された。1軍初合流の福谷に、今中投手コーチは遠慮はなかった。マウンドを見つめて「博士はいらん。あそこでやってくれたら何でもいい。抑えてくれたらいい」。学歴不問。実力だけが物を言うプロの世界。リングでは、いやマウンドではバカになれ-。まるでプロレス界のカリスマ、アントニオ猪木のようなメッセージを送った。

 豪快なフォームから投げ下ろす剛速球が魅力だ。キャンプで右内転筋を痛め、4月には左脇腹を痛めて1軍昇格が遠のいた。地道にリハビリを続け、1軍首脳陣が見つめる5日の2軍ソフトバンク戦では149キロを計測。中継ぎで6試合に投げ無失点という安定感も目を引いた。

 前日6日に1軍合流の知らせを聞いた。先輩だらけのナゴヤドームに恐縮しっぱなし。だがそこはインテリ右腕。すでに1軍マウンドに上がるイメージが出来ているのか「一番は点を取られないこと。その次は走者を出さないことが大事だと思う」と冷静に言葉をつなげた。

 起用法に関しても今中コーチは遠慮なしだ。「普通にいくよ。(点差が)空いてるところでいっても仕方ない。みんな厳しいところから始まって強くなる。投げっぷりがいい。他の投手にない魅力がある」。しびれる場面でもちゅうちょなく投入する考えだ。

 吉見、カブレラの故障に、中継ぎ陣の疲れ。暗い話題ばかりの竜投を、バカになって明るく照らす。【桝井聡】<福谷浩司(ふくたに・こうじ)アラカルト>

 ◆知多ファイブ

 1991年(平3)1月9日、愛知県知多市生まれ。愛知・知多市出身のプロは山崎、浅尾、巨人小山、阪神伊藤コーチの5人。

 ◆慶応ボーイ

 愛知・横須賀高卒業後はAO入試で慶大理工学部に進学。卒業論文は「投球動作における球の出所の見づらさの定量化」。

 ◆憲伸クラス

 1月21日にプロで初ブルペン。直球24球を投げて中田スカウト部長は「憲伸と同じで軸はしっかりしている」。

 ◆キャンプリタイア

 右内転筋を痛め2月24日に沖縄を離れた。名古屋で精密検査を受け、開幕アウトが確実に。