高校時代「下町のダル」の異名を取った右腕が、台湾で飛躍のきっかけをつかむ。ソフトバンク2年目右腕・吉本祥二投手(20)が来月から始まる台湾ウインターリーグに派遣されることが14日、分かった。

 「九州のダル」と呼ばれた同期の武田は1軍に定着したが、吉本は今季1、2軍での登板はなかった。ただ、独立リーグやアマとの交流戦が主体の3軍で実戦を積んだ。主に先発ローテの軸として、ただ1人100イニング超え。112回を投げ7勝5敗2セーブ、防御率3・62と数字も残した。6月末には腸炎を発症して高熱で3日間休み、投球フォームを見失う時期もあった。

 現在は雁の巣などで練習する3軍で調整中。最速150キロの直球、フォーク、スライダーと自分の持ち球のレベルアップに取り組んでいる。「秋季キャンプでアピールしようと思っていますが(その後も)実戦の経験ができるのはうれしいですよね」と台湾の舞台を楽しみにしている。

 ほかにもルーキーの伊藤祐介投手(22)高田知季内野手(23)育成の猪本健太郎捕手(22)拓也捕手(20)釜元豪外野手(20)が派遣される。

 ◆吉本祥二(よしもと・しょうじ)1993年(平5)6月26日、東京・足立区生まれ。足立学園では甲子園出場なし。11年ドラフト2位でソフトバンク入団。昨年の秋季キャンプでは秋山監督からも指導を受け、徹底して投げ込んだ。188センチ、81キロ。右投げ右打ち。

 ◆台湾ウインターリーグ

 台湾プロ野球を運営する中華職棒大連盟(CPBL)が母体となって11月下旬から約1カ月開催される。昨年は日本、ドミニカ共和国、台湾2チームの4チームで開催。日本は各球団から派遣された選手で構成される合同チーム。ソフトバンクからは川原、山下、牧原、育成の有馬、安田の5選手が参加し、優勝に貢献した。