ソフトバンク森唯斗投手(22)が22日、今オフの漁船トレーニング計画を明かした。実家は徳島・海陽町で漁師を営み、森は「時間があれば手伝いたいですね」。両親は伊勢エビ漁が盛んな10月末、仕事を休んでまで甲子園での日本シリーズで声援を送ってくれた。年末に帰省した際に親孝行をするつもりだ。

 契約金の一部を使って「唯斗丸」をプレゼントした。以前の船より約3倍の3トン弱の大きさ。「僕はまだ乗ったことがないので、ぜひ乗ってみたいですね」と目を輝かせた。海部高時代までは漁船に乗り込んでいた。年末は網引きの伊勢エビ漁ではなく、父勝美さん(46)が海に潜り貝などを採る。森は潜らないが、真冬の太平洋の上でバランス感覚を鍛える。

 ルーキーイヤーの今季は5月から1軍登録され、中継ぎとして58試合に登板。終盤は勝ち試合の7回を任せられた。最速はプロ入り後150キロと4キロもアップ。来季も勝利の方程式の一角を期待される。「そういう(8回、9回)ところで投げたいという思いはあるが、簡単ではない」とさらなる高みを目指す。秋季キャンプでは右肩は休め、走り込んだ。ハワイ優勝旅行から戻った12月中旬から投げ始める予定だ。年末年始は実家の漁船で心身を鍛え、飛躍の2年目を迎える。【石橋隆雄】

 ◆ソフトバンク森の1年

 3月13日中日戦で左太もも裏を負傷し、開幕1軍を逃す。5月11日西武戦でプロ初登板。ヤフオクドームのウグイス嬢に間違えて「ピッチャー森福」とコールされた。直球とカットボールを武器に実績を重ね信頼を得る。登場曲を人気アニメ「妖怪ウォッチ」の「ようかい体操第一」に変えた夏場以降は7回の男に定着した。58試合に登板し4勝1敗20ホールド、防御率2・33。日本シリーズでは3試合登板しいずれも1回を無失点。