<全日本大学選手権:上武大3-2明大>◇15日◇準決勝◇神宮

 上武大(関甲新学生)が、東京6大学王者の明大を逆転で破り、初の決勝進出を決めた。7回にドラフト候補の3番三木亮内野手(4年=遊学館)が勝ち越し右前適時打を放ち、先発の横田哲投手(4年=飯能南)は2失点完投した。同連盟所属チームとしても初の決勝進出になった。

 上武大・三木が右手を力強く突き上げた。7回、同点に追いつき、なおも続いた1死満塁。ここで決勝の右前打を放って、喜びを爆発させた。「無心で打ちました。よく覚えていないんですが」。決勝進出のヒーローはこういって照れた。

 ネット裏で出番を待っていた亜大・生田監督もこの一打に驚いた。「勝負強いなあ」。3回の1点目も、三木が三遊間を破ってもたらした。全4試合で打点を稼いでいる。16打数6安打8打点の3割7分5厘。得点圏打率は5割7分1厘もある。「(3番の)自分が打てばチームが乗るんで」と役割を自覚している。

 「打てる遊撃手」としてスカウトも注目するが、今年1月まではリハビリの日々だった。昨秋のリーグ戦で盗塁した際に右足首を骨折。10月に手術を行った。直後から「上半身は使えるんで」とイスに座ってのティー打撃を始めた。1日1000スイングしたこともある。「もともと上半身は強くなかったんでそれがよかったと思う」。ケガもムダにはしなかった。

 「春、頑張ろうと思ってやって来ました。いいアピールができていると思う。明日も打ちたいです」。プロ入り希望の三木は、さらにアピールして初の日本一をつかむつもりだ。【米谷輝昭】