橋本大地(25)が覚醒しつつある。新日本プロレスで一時代を築いた“破壊王”こと、故橋本真也さんの長男だ。

 11月28日、横浜ラジアントホールで行われた全日本プロレスの世界最強タッグリーグ公式戦。橋本は、神谷英慶(25)と組んで、元3冠ヘビー級王者宮原健斗、ヨシタツ組と対戦した。

 ここまで2連勝と波に乗る2人は、大方の予想を覆して、大金星を挙げた。特に、橋本は、宮原にフォール勝ち。序盤こそ元王者の厳しい攻めにたじろぐような場面もあったが、リング上で何度も叫び声を上げで自らを鼓舞。最後は、宮原の顔面に豪快に右膝蹴りをたたき込んで、勝利をものにした。勝ちっぷりも見事だった。

 11年3月6日、父が興したゼロワンで父の盟友だった蝶野正洋戦でデビューした。しかし、デビュー後は鳴かず飛ばず。14年3月に退団すると、IGFに入団。ここでも結果を出せずに、16年1月に大日本に正式入団した。そして、大日本でようやくスイッチが入ったようだ。

 大日本のグレート小鹿会長は「今までは、ずっと先輩たちばかりで、本人も遠慮してたんでしょう。うちは同じ年齢の若手も、大地より下のレスラーもいる。一緒に練習していく中で、自分が頑張らなきゃいけないんだという気持ちが生まれたんでしょう」と話す。

 同じ年で、タッグチーム「大神」を組む神谷英慶の存在も大きい。タッグ戦を戦っていても、神谷が活躍すると「自分も」というように橋本もよりアグレッシブになっていく。11月21日の後楽園大会では、その2人がBJW認定ストロングヘビー級選手権の挑戦権をかけて戦った。会場は7割ほどの入り。リングサイドで見つめていた小鹿は「これがこの2人の今の実力ですよ。これが、満員にできるように育ってもらいたいね」と、将来のエース候補へ期待を寄せた。

 試合は橋本が勝って、12月17日、横浜文化体育館で王者鈴木秀樹に挑戦することが決まった。勝てば、初めてのシングル王座のベルト獲得となる。鈴木戦へ向けて、宮原への勝利は大きな弾みになるはずだ。橋本真也の息子として生まれ、同じプロレスラーの道を選んだ橋本。「2世」という十字架には逆らえないが、大日本で橋本は、一レスラーとして成長の階段を1歩1歩上っている。「宮原さんには1回だけじゃダメ。2回、3回、5回、10回と勝って初めて上にいける」。宮原に勝利した後の橋本のコメントが、何よりもその成長を物語っている。【プロレス担当=桝田朗】