米総合格闘技UFCとの契約権を懸け、アジアの有力ファイターたちがトーナメントで競い合うRoad to UFC(RTU)シーズン2の各階級準決勝が27日、シンガポール・インドアスタジアムで行われた。日本勢は4選手が出場。フライ級の鶴屋怜(21=パラエストラ千葉ネットワーク)、ライト級の原口伸(24=BRAVE)が決勝進出を決めてトーナメント制覇に王手をかけた。なお1回戦は5月下旬、中国・上海で行われていた。
日本軽量級のホープとなる鶴屋は同級準決勝でマーク・クリマコ(25=フィリピン)と対戦し、打撃からのタックル、そしてグラウンド勝負と試合を通じて主導権を握って3-0の判定勝利を挙げた。これでプロデビューから8戦無敗。期待に応える勝利を続ける鶴屋は「今日、初めて3ラウンドまでいって判定でしたが、評価を落としたなとは思っていない。反省点は何個か見つかりました。打撃のコンビネーションだったり、寝技の極めとか。もっと突き詰めれば次は簡単に勝てると思う」と手応えを示した。
年末にアジアで開催が予定されている。決勝でジー・ニウシュイエ(中国)との顔合わせとなった。鶴屋は「打撃もすごくコンビもうまくて腰も強いなと。でも寝技は上回っているし、打撃も勝てるところあるかな」と自信を口にした。狙っていた全試合KO、一本勝ちは逃したものの、鶴屋のこだわりは変わらない。「次はしっかり一本、フィニッシュして力の差をみせつけたいと思う」と強気な姿勢を貫いた。
父はパラエストラ千葉ネットワークの鶴屋浩代表(52)という親子鷹。幼少からレスリングを学び、小学校時代に2度全国優勝。日体大柏高に進学しレスリング部に所属し国際大会も経験。21年2月、DEEPでプロ格闘家デビューし、22年12月にはパンクラス・フライ級王座を獲得した。国内で実績を残し、着実なステップでUFCファイターの座を狙っている。
またライト級準決勝で、原口は当初の対戦相手の計量失格という緊急事態に見舞われていた。急きょ代わったパク・ジェヒン(21=韓国)との顔合わせだったが、慌てることなく冷静なファイト。タックルから確実にテークダウンを奪う展開を続け、判定勝利で決勝進出を決めた。原口は「本当はもっとちゃんとしたフィニッシュを狙っていたのですが、でもこれが俺の持ち味。急きょ対戦相手も代わり、対策も何もないので。レスリング=(イコール)自分ぐらの気持ちでやった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。
世界的にも選手層の厚いライト級で決勝まで進んだ意味は大きい。ファイナルの相手はロン・チュー(中国)に決定済み。原口は「もちろん勝ちに徹した戦いをする。UFCと契約してから面白い試合する。RTUは意地でも勝ちにいく。相手は打撃も経歴も長く危ない相手だが、このトーナメントは俺のもの」と気合を入れ直していた。
鶴屋同様、原口もレスリングをベースに国士舘大時代の19年には全日本選手権70キロ級優勝。22年9月にプロ格闘家としてデビューし、6戦負けなし。GRACHANライト級王座も獲得した。2人ともレスリングで経験を積み、実績残して国内団体で王座を獲得してきた。確実に階段を駆け上がり、最高峰への切符をつかむストーリーには納得感があり、格闘技ファンからの支持も得られるだろう。 RTUトーナメント制覇に王手をかけた年末の2人のファイトは見逃せないものになる。【藤中栄二】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「リングにかける」)


