日本スーパーウエルター級王者井上岳志(27=ワールド)がTKOで3冠王者になった。ステップアップを期した東洋太平洋同級王者ラーチャシー・シットサイトーン(32=タイ)との2冠戦。初回から攻勢で8回に2度ダウンを奪うとレフェリーストップ。8回2分51秒TKO勝ちした。

 井上は試合前に話していた左ボディーで初回から攻めていった。くっついてのボディーに右アッパーなど攻勢が続いた。いい右をもらう場面もあったが、中盤からは再三ロープを背負わせた。ボディーから大振りの右フックも決まる。8回に右フックで王者がリング中央でダウン。立ち上がってきたがコーナーに詰めて連打に再びうずくまり、レフェリーが止めた。

 井上は腰に日本王座のベルトを巻き、両肩に新たなベルト2本を担いで誇らしげに「3つのベルトはうれしい」。終始攻勢にも「ボディーが効いているのは分かったが、相手の上体が柔らかく、長引いてしまった。危ないところもあり、楽ではなかった」と振り返った。

 今後は来年4月に日本王座のV2戦を予定している。WBOはすでに世界15位でランク入りしているが、これも一気にアップするはず。IBFでも15位。「4月の防衛後は、チャンスがあれば世界をやりたい。いつでもいい準備をして、常に戦える心を持っていたい」。来年には世界挑戦プランを披露した。