日本ボクシングコミッション(JBC)は9日、1日に行われたWBC世界バンタム級タイトルマッチ(両国国技館)における計量で大幅に体重超過して王座を剥奪された元王者ルイス・ネリ(23=メキシコ)に対し、日本でのボクシング活動を永久に停止させると発表した。8日に開催した倫理委員会で決定した。

 体重に関連する同様の処分は初で、JBCは「それだけ悪質と判断した」と説明。JBCは海外から招請した選手の体重超過については自動的に1年間の招請禁止処分を科してきたが、今回は世界戦かつ重大な違反として、厳罰を科した。

 ネリは元王者山中慎介(35=帝拳)との昨年8月以来の再戦となった一戦の前日計量で失態をさらした。1回目にリミットの53・5キロを2・3キロもオーバーする55・8キロ。約2時間後の再計量でも1・3キロの54・8キロと落としきれずに、はかりの上で王座を失った。試合は山中が勝った場合のみ新王者になる条件で実施されたが、ネリが2回TKO勝ち。王座は空位となり、山中は現役引退を発表した。

 JBCはWBC以外のタイトル認定団体であるWBA、IBF、WBOにも重罪とした処分を通知する。ネリはすでにWBCより無期限出場停止処分を受けているが、現状では他団体であれば試合を行える。