Aブロック公式戦が行われ、オカダ・カズチカ(30)がようやく初白星を挙げた。まさかの開幕2連敗で迎えたハングマン・ペイジ(26)戦も苦境に立たされたが、最後はレインメーカー(短距離式ラリアット)で倒しきった。6月にIWGPヘビー級王座の13度目の防衛に失敗後、シングル戦では初勝利。4年ぶりの頂点に逆襲ののろしを上げた。

 オカダの勝利後のインタビューが次々に変調した。「やっと、やっと、1勝目!」と無邪気に第一声も、「余裕の勝利でした」の言葉と裏腹の激しい息遣い。さらに「うれしい。みんなありがとう…」と左手で顔を覆って涙かと思いきや、突然笑顔に。「しっかり優勝して、降らせてやるよ」と最後に金の雨を予告する姿は従来のそれだが、ベルトがないオカダは何か違う。

 言動はとらえどころがないがやはり強い。ペイジに大技を受け続けたが、終盤には仁王立ちして不敵な笑みを浮かべた。今大会のテーマを笑顔に据えているだけに、有言実行だがどこか不気味だ。最後はレインメーカーでけりをつけ、「優勝は諦めたなんて一言も言ってない。楽しんで優勝するから」と逆襲宣言。先月の王座陥落から続いた勝ち星なしを5戦で止め「ずっとはまらなかったピースがはまった」と強調した。