新日本プロレスの元IWGPジュニアヘビー級王者で3代目タイガーマスクとしても活躍した金本浩二(本名・金日宇)容疑者(52)が1日、暴行の疑いで兵庫県警生田署に現行犯逮捕された。同日午後0時半ごろ、自宅マンションで妻(25)の頭部を殴った疑い。同署によると、金本は暴行の容疑を認めているという。新日本時代は「ジュニアのカリスマ」と呼ばれ、獣神サンダー・ライガーと並ぶ人気レスラーだった。

生田署によると、1日昼ごろに金本容疑者の妻から「夫とけんかをして暴言を吐かれた」との110番通報が入った。署員が駆けつけた際、自宅マンションには金本容疑者、妻、そして生後数カ月の息子が滞在。妻らにけがはなかったものの、同日午後0時半ごろに現行犯逮捕され、同署に連行された。

金本容疑者は「妻が勝手に自分の携帯電話を見て浮気を疑い、しつこくただしてきた。鬱憤(うっぷん)がたまっていた」などと供述。取り調べに対して暴力をふるった事実を「間違いない」と認めているという。なお同署には過去に金本容疑者の妻からのDV相談はなかった。

90年に新日本プロレスに入門した金本容疑者は91年のメキシコ修行を経て、帰国後に3代目タイガーマスクに抜てきされた。初代、2代目とは違い、ラフファイトも取り入れた新たなタイガー像を打ち出したが、1年弱でマスクを脱ぎ、素顔の金本浩二として活躍。米遠征後の95年にはIWGPジュニアヘビー級王者にも輝いた。他団体との対戦では非情な打撃技、投げ技などで攻め込み「喧嘩(けんか)番長」とも呼ばれていた。

IWGPジュニアヘビー級王座5回、IWGPジュニアタッグ王座4回、ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア制覇に3度輝いており「ジュニアのカリスマ」と呼ばれた。その人気ぶりは高く、04、06年にはヘビー級の実力者がそろって参戦するG1クライマックスにもエントリーしたほど。07年にはジュニアヘビー級選手として初めてIWGPヘビー級王座(王者は棚橋弘至)にも挑戦した。

13年には新日本プロレスを退団し、フリーの立場で全日本プロレス、WRESTLE-1、ゼロワンなどに参戦。拠点を関西に移して以降、レスラーとしての活動以外に舞台役者や食品プロデュースなども手がけていた。

◆金本浩二(かねもと・こうじ)1966年(昭41)10月31日、神戸市生まれ。90年に新日本プロレス入団、同年11月7日の小原道由戦でデビュー。93年に3代目タイガーマスクに抜てき。1年弱で素顔に戻り、獣神サンダー・ライガーらと新日本ジュニア戦線で活躍。IWGPジュニアヘビー級王座、IWGPジュニアタッグ王座、全日本プロレスのアジアタッグ王座、ノアGHCジュニアタッグ王座も獲得。09年に元全日本女子プロレスのHikaruと結婚も後に離婚。得意技は足首固め。180センチ、80キロ。