18日に王座返上したプロボクシング前日本スーパーバンタム級王者古橋岳也(35=川崎新田)が20日、現役引退を表明した。同日に神奈川・川崎市の所属ジムで新田渉世会長、担当の笠康次朗トレーナーとともに記者会見。昨年12月に田村亮一(JBスポーツ)との同級王座決定戦を制し、約半年ぶりに王座返り咲きに成功しながら王座返上した経緯を明かし「どんなことがあっても35歳(で引退)と決めていた。終わりを決めていなかったらまだやっていたと思う。だから自分と35歳と約束していた」と引退を明かした。

35歳での引退は16年10月、当時の日本同級王者石本康隆(帝拳)に10回TKO負けを喫した後に決めていたという。「石本さんに負けて現役を続けるか迷い、続ける決断をした時、負け続けていても、次が世界戦だったとしても35歳で辞めると思って再起を図りました」。昨年6月には当時のWBOアジア・パシフィック同級王者の元WBC世界バンタム級暫定王者井上拓真(大橋)との王座統一戦で負けた際に「これで世界への道は断たれたと気持ちはどん底まで落ちました。正直、やり切ったという半面、まだやれたという気持ちもある。(35歳までと)決めていなかったら続けていたかも」と口にした。

新田会長は「激闘を繰り返し、ジムとしては体のことを心配していた。あちこち痛んでるところもある。私としては了承せざるをえなかった。古橋の体を考えたら無理強いはできないというのがジムの考えです」と率直な心境を口にしていた。