リングの貴婦人が、未知との遭遇?を果たした。

女子プロレスSTARDOM(スターダム)の桜井まい(32)が31日、熱烈? オファーを受けていた「名代 富士そば」の試食会に参加した。かねて貴婦人様は「庶民は富士そばで、かけそばでも食べなさい」とリング上やSNSで謎に「富士そば」を連呼していた。そんな中、富士そばが反応。29日に「貴婦人にカレーパン丼を食べてもらいたいです!! 今度食べに来ませんか? 商品化する際は商品名を『まいぱん丼』にしたいです^^」とTwitterでアプローチした。庶民の台所から、貴婦人様の世界へのご依頼は、相当ハードルが高かったようだが、この日、無事に試食会が開催された。

早朝の東京・渋谷。黒いハットをかぶった、ネイビーのワンピース姿の女性が、富士そばの渋谷道玄坂店にやって来た。さっそうと歩く華麗な姿に、通行人の男性たちは、目を奪われていた。同店の店長、富士そばの広報らは直々にお出迎え。貴婦人様は「あらぁ~ここが、うわさの富士そば様ですか?」。店長が「いらっしゃいませ」と深々とお辞儀をすると、「ごきげんよう」とあいさつした。

入店すると、初めて見る景色に驚きの連続。券売機も「お初」だったよう。「これ…ここに値段が書いてあるんですけど…。これメニューですか?」と目を丸くした。銀座付近の高級な、おフレンチばかり食しているからか、紙のメニュー以外は見たことが無いよう。「分からないです、私」と言う姿に、店内に緊張が走る。すかさず、店長が丁寧にレクチャー。貴婦人様のために確保していた席へとご案内した。

そして、運命の試食の時がやって来た。姿を現したのはカレーパンの玉子とじ丼。これは約3年前に富士そばで企画したものだが、さまざまな理由で未発売となっていた。普段はフォアグラ、キャビア、A5ランクのステーキばかり目にしている貴婦人様にとっては、見た目からして、斬新すぎるシルエット。担当者たちのつばを飲む音が聞こえる中、貴婦人様はスプーン、フォークを器用に使いながら、恐る恐る口に入れた。すぐさま「あら、おいしいわ」と笑顔を見せ、担当者は「ありがたいです」と今にも泣きそうだった。貴婦人様の興奮は、その後も止まらず「絶対売れると思いますわ」とスプーンを持つ手が止まらなかった。

すっかり庶民の味のとりこ? になった貴婦人様は、まさかの行動に移った。教えてもらった券売機を試したかったのか、はたまた空腹だったのか…「紅ショウガ天そば」を購入。初めて持つ食券…に手を震わせながら、恐る恐るカウンターに向かい、セルフで水を入れ、番号で呼ばれるなど、どっぷりと庶民の世界に足を踏み入れた。一口すすると「庶民は今までこんなおいしいものを食べていたの? 私、知りませんでしたわ」と感動していた。

一連の流れを直立不動で見守る富士そば担当者たち、そして道玄坂店のスタッフ。貴婦人様が「庶民も、ここを聖地として訪れて下さいませ。それではごめんあそばせ」と言い、店を後にすると、担当者たちは「フーッ」と息を吐いた。

今後の商品化については「相談していきます」と、まだ緊張が解けていない様子。「何より、お口に合ったようで幸いです」と、何度もうなずいた。「まずいと言われても、それが富士そばです」とファイティングポーズを取っていた富士そばだが、完全に貴婦人様の前に“ひれ伏す”形となった。