武尊(32)が誇りを取り戻すためにリングに上がる。

28日に開催されるONEチャンピオンシップの日本大会「ONE165:スーパーレックVS武尊」(有明アリーナ、ABEMA PPV ONLINE LIVEで国内独占生中継)で、スーパーレック・キアトモー9(28=タイ)の持つONEフライ級キックボクシング世界王座に挑戦する武尊は、22年6月に行われた「ザ・マッチ2022」で那須川天心と対戦。念願だった世紀の一戦で判定0-5という屈辱の敗北を喫した。

武尊は最大のライバル天心に敗れ「誇りを失った」という。「そこの部分はまだ回復できてない部分もあるんで、それを回復するためにも、この試合(ONEフライ級キックボクシング世界王座戦)勝たないといけないというのはあります。格闘家としては、やっぱり僕は1回でも負けたら終わりだと思ってたし。あの団体の対抗戦(K-1対RISE)で大将として出て、負けちゃったんで。僕はもう団体を背負う資格はないなと思ったんでチャンピオンを返上したし。そこで失ったものっていうのはベルト以外にもいっぱいあったんで」と振り返る。

天心戦後、休養に入った武尊だが、精神的なダメージに加え、公表してこなかった腰の分離すべり症や膝の前十字靱帯(じんたい)損傷、拳のケガなど、体もボロボロだったことを告白した。それでも負けたままリングを去ることはできなかった。復帰を発表すると待ちに待っていたファンも歓喜した。武尊は昨年6月、パリでISKA・K-1ルール世界スーパーライト級王者ベイリー・サグデンと対戦。5RKO勝ちで復帰戦を勝利で飾った。

そして今回のONEでのデビュー戦にして王座戦。「僕の格闘家人生みたいなのはそこ(天心戦)で終わりだと思ってたんですけど、復帰するストーリーみたいなのを、ファンの人も一緒に感情込めて見てくれてるっていうのがすごいやっぱりありがたいし、うれしいことなんで。それを良いストーリーにできるようにこの試合に勝つしかないなと思ってます」という。

武尊は休養中にケガが回復したことが1番大きいと話す。そして精神的なコンディションも天心戦の頃とは比べものにならないくらい良くなったと笑顔を見せる。「ある意味(K-1という)背負う物がなくなったことで今、自由にできてるっていうか、そういう喜びもある。でも、だからと言って、背負うものがないイコール、トップではないということだと思うんで。そこに対する悔しい気持ちもあって。だからこそ今回の試合は日本を背負うつもりでやろうと思ってるし、ONEという大会の中でも日本人の強さとか、K-1ファイターの強さっていうのを僕は見せていかなきゃいけないなと思ってる。今回はすごい良い意味で何か背負えてる感じがします」。本当の意味で生まれ変わった武尊の強さを世界に見せつける時だ。