「独眼竜嘉風」に改名か…。西前頭5枚目の嘉風(34=尾車)が、気力を振り絞っての出場で5勝目を挙げた。

 前日5日目の逸ノ城戦で右目のまぶた付近を裂傷。病院で「何針かは教えない」と具体的な言及は避けたが、縫い合わせた。患部は頑丈に保護しているものの、いつ裂けるか分からない。そんな不安も「怖さがないといえばウソだけど、勝ち負けにこだわると集中力をなくす。そんな自分も受け入れながら、前に攻めようとする気持ちがまさった」と目の前の一番に集中。9歳年下の大翔丸(25=追手風)を動き回って翻弄(ほんろう)し、押し倒した。

 右目の視界は「仕切ると、腫れているから見えない」という。それも「目で(相手を)見て取っているという感覚では相撲を取っていない」と独特の感性でカバー。さらに「目が気になって相撲に集中できないのが、かえって良かったのかも」と話した。さらに「150キロのボールは打てないけど、相撲は相手が近くにいる。その勘で」と独特の言い回しで説明していた。