大相撲の冬巡業が7日、大分県宇佐市で行われ、暴行問題の責任を取って引退した元横綱日馬富士関の関連グッズが飛ぶように売れた。角界を去ったことによって希少価値が高まっているとみられ、九州各地を回っている他の巡業地でも同様の現象が起きている。

 宇佐市の会場に設置されたグッズ店によると、元横綱の手形付き色紙や、しこ名入りの小さな旗などグッズ約200点が、開場から3時間もたたないうちに、いち早く売り切れた。11月中旬の問題発覚前に入荷したそうで、男性店員は「あんなことが起き、引退するなんて思ってもいなかった。それほど人気のない商品もすぐになくなった。こんなに売れるのは想定外」と驚いていた。

 宇佐市は不滅の69連勝を記録した不世出の大横綱、双葉山の出身地。1968年12月16日に56歳で亡くなり、今年で五十回忌となる。2010年に63連勝で大記録に迫った横綱白鵬関は「久々だし、懐かしい。思い出に残る巡業。(名横綱といえば)戦後大鵬、戦前双葉山と言いますからね」と、しみじみ語った。

 日馬富士関から暴行を受け、巡業を休場している平幕貴ノ岩関の診断書は、7日の興行中も提出されなかった。