関脇御嶽海(25=出羽海)が、涙の初優勝を果たした。勝てば優勝の一番で、平幕の栃煌山を寄り切りで下した。名門出羽海部屋では80年初場所の横綱三重ノ海以来38年ぶりで、節目となる50度目の優勝。長野県出身、平成生まれの日本出身力士では初めてなど、記録ずくめの優勝となった。

 ◆長野県と大相撲 1909年(明42)の優勝制度導入後、御嶽海は県出身力士として初優勝。47都道府県別では34番目。その間、横綱、大関の輩出はなく、三役力士も1939年(昭14)5月場所限りで引退した元関脇高登以来だった。幕内力士もその間は御嶽海を除くと7人だけ。一方で、江戸時代の伝説的力士の雷電為右衛門も輩出。1767年に現在の長野・東御市生まれとされる。身長197センチ、体重170キロの体格で当時の最高位の大関を務め、幕内通算254勝。優勝制度はなかったが、相当する成績は残している。