日本相撲協会は26日、大相撲11月場所(8日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表し、天空海(あくあ、29=立浪)が新入幕を果たした。

茨城・つくばみらい市の部屋で新入幕会見に臨んだ天空海は「目標にしていたのでうれしいです」と声を弾ませた。

西十両6枚目だった秋場所で10勝5敗とし、新入幕はギリギリのラインだった。今朝部屋に届いた番付を見て昇進を知り「もし上がれなかったとしても11月場所で勝ち越せればいいやと思っていたのでラッキーでした」と想定外の昇進だったという。10年九州場所で初土俵を踏み10年。「長かったなと。自分では遅かったかなと感じました」と苦労の末に目標にしていた新入幕を果たした。

十両だった18年秋場所を、腰椎椎間板ヘルニアにより途中休場して以来、腰の痛みと闘ってきた。幕下に陥落した同年九州場所で勝ち越すも、19年初場所と春場所は思うような相撲が取れずに負け越した。当時を「諦めて辞めようかなという時期だった」と振り返る。しかし当時、幕内にいた明生や幕下上位で奮闘する豊昇龍の2人の弟弟子に刺激を受けたことや、腰椎椎間板ヘルニアの新薬が体に合ったことなどもあり再起を決意した。

会見に同席した師匠の立浪親方(元小結旭豊)は「幕内に上がれるのは数えられた人間だけ。3人幕内はうれしい限り。いい弟子を持った」と胸を張った。天空海の武器は強力な立ち合いだといい「幕内で勝ち越す力はある。期待して見たい」と話した。天空海は「三役に最初に誰が上がるか競い合いたい」と、明生と豊昇龍との出世争いを意識した。