大相撲夏場所(5月9日初日、東京・両国国技館)に自己最高位の東前頭筆頭で臨む若隆景(26=荒汐)が28日、都内の部屋で申し合い稽古を行った。

報道陣の電話取材に応じ、兄で十両の若元春らと約20番取ったと説明。番付発表前に実施された合同稽古にも参加しており「合同稽古でもいい稽古が出来たと思う。これからもう少ししっかり体を作ってやっていきたい」と話した。

西前頭2枚目で臨んだ3月の春場所では、10勝して初の技能賞を獲得するなど奮闘した。しかし、同場所では関脇、小結陣が全員勝ち越すなど、番付運に恵まれずに新三役の座はつかめなかった。それでも「しっかりやろうという気持ち。番付発表があったので、また気が引き締まる気持ちです」と気にすることはなかった。また、春場所では貴景勝と正代の2大関を撃破。「慣れてきたかと言われたら分からないけど、緊張はせずに思い切ってやれると思う」と夏場所では春場所の経験を生かす。

春場所での技能賞獲得につながった強烈なおっつけは「相撲を小学1年生からやってますけど、その頃から下からの攻めというのは常日頃ずっと言われてきたこと」と20年以上磨いてきたものだという。原点を磨いた地元・福島には、春場所後に日帰りで帰省した。英気を養い「自分の相撲を取りきって、勝ち越しを目指したい」と宣言するように、2場所連続勝ち越しと今度こそ新三役の座をつかみ取る。