横綱照ノ富士(30=伊勢ケ浜)が3場所ぶり7度目の優勝を飾った。優勝7回は歴代20位タイとなり、今年の目標に掲げる2桁優勝10回へ前進した。

同じ3敗で並んでいた隆の勝が敗れ、4敗に後退した。照ノ富士は結びで大関御嶽海を圧倒。もろ差しから力強く寄り切った。

優勝インタビューでは「やっと終わったなという思いですね」と本音がもれた。

3大関が早々と優勝争いから脱落する荒れた土俵を鎮めた。先場所は右かかと、左膝の負傷で途中休場した。両膝の負傷、内臓の疾患などで大関から序二段まで落ちながら、気力で横綱の地位を極めた。歴史的な復活ロードに初めて訪れた試練となった。

復帰した今場所も初日に大栄翔に完敗。中日までに3敗を喫し、2場所連続の途中休場も危ぶまれた。しかし、綱の重みを背負って後半戦から鬼迫の復活。今年初の賜杯を手にした。

「しっくりこなかった」という立ち合いを修正していった。それ以上に横綱としての責任感が、体を突き動かした。

「(休場明けで)いつもより長く感じたのはある。ただ結果がどうであれ、15日間全部取りきるつもりでした。こうやって結果に表れたのはよかったと思います」

1人横綱として、見事に務めを果たした。コロナ禍から戻ってきた観客の前での優勝セレモニー。「少ないお客さんでもテレビの前で見てくれいる思っていたけど、たくさんのお客さんの前だと気持ちも燃える。来場所も頑張っていきたい」と力強く誓った。

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