関脇の若隆景(27=荒汐)が13日、気迫にあふれる朝稽古を行った。関脇の阿炎(28=錣山)、幕内の霧馬山(26=陸奥)と北勝富士(29=八角)が同部屋に出稽古で訪れ、「いろんな関取と稽古できたのはありがたかった」と喜んだ。名古屋場所(7月10日初日、ドルフィンズアリーナ)の成績次第で大関昇進の可能性を残す。22日まで出稽古解禁期間を生かし、調整を重ねる。

関取衆の申し合いが始まると、ガラス張りの窓の外から見学したファンたちが釘づけになった。関取だけに許される稽古用の白まわしを締めたのは実に6人(若隆景、若元春、荒篤山、阿炎、霧馬山、北勝富士)。17番取った若隆景はいつものように「本当に下から(攻める)」という意識を持ちながら、阿炎や霧馬山と胸を合わせて9勝8敗だった。

5月の夏場所は中日を終え3勝5敗と黒星が先行した。その後は3連勝するなど巻き返し、後半戦唯一の土は12日目の横綱照ノ富士戦のみ。9勝6敗で終えた。関脇の地位で勝ち続ける重みを知るからこそ「しっかり地道にいくだけです」。今後も他の部屋には行かず、出稽古に来た関取衆たちと汗を流す。名古屋場所に向けて「初日からしっかりとしていきたいです」と誓っていた。