大相撲の元大関琴奨菊の秀ノ山親方(38)の引退相撲が1日、東京・両国国技館で行われた。

20年九州場所で引退してから約2年を経て訪れた待望の日に「現役時代が終わったという一つの節目。次のステップにいくんだな」と実感したという。後進の指導に当たる今後について「(きょうから)もう1度初心の気持ち。厳しいことを乗り越えられる弟子を育てていきたい」と誓った。

断髪式にはプロ野球のヤクルトに在籍し今季限りでの現役を引退を発表した内川聖一ら約400人が参加。現役時代にしのぎを削った宮城野親方(元横綱白鵬)や浅香山親方(元大関魁皇)がはさみを入れた後、師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)が止めばさみを入れた。

「座っている間にいろんなことがよぎりました」と言う中で、とりわけ横綱照ノ富士がはさみを入れてくれた時にグッときた。秋場所で膝の状態が悪化して途中休場を強いられた横綱が「断髪式、土俵入りもしてくれた。そういう気持ちがうれしかった」と感謝した。

現在は佐渡ケ嶽部屋の部屋付き親方として指導に当たっている。「良いことばかりじゃなく、つまずくことはたくさんある。自分は立ち合いの1歩に命をかけてやってきたから、そこに持ち味や自信を持てるような力士を作りたい」と、第2の相撲人生への抱負を述べた。【平山連】