大関貴景勝(26=常盤山)が先場所の雪辱を果たした。結びの一番の相手は、先場所の優勝決定ともえ戦で敗れ、初優勝を許した平幕の阿炎(28=錣山)。ここまで初日から5戦全勝で、阿炎が勝てば優勝争いで単独トップに立たれ、貴景勝が勝てば1敗で8人が並ぶ大混戦を演出できる状況での対戦だった。
結果は、阿炎のもろ手突きを受け止めると、左手で伸びた阿炎の右腕をはね上げるようにいなしてバランスを崩した。これで優位に立つと、さらに押しの攻勢を緩めず、白房下に押し出した。
報道陣のリモート取材に応じた日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は、立ち合う前の貴景勝の心中をはかるように「立ち合いで(阿炎に)変化があるとか、どうしても頭にあるもの。そうすると足が動かず悪いパターンになる。吹っ切ってよく足を出すこと。思い切りでしょう」と見通していた。冷静に見えた貴景勝の取り口に「突っ張られても落ち着いていた。迷いはあったと思うが、下からいなして、よく(阿炎を)見ていた」と優勝争いの先頭グループに加わった貴景勝の“大関相撲”を評価していた。

